パワハラ防止の指針が了承・公表されました
職場のパワーハラスメント(パワハラ)防止に向け、労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)の分科会は、具体的な該当事例や企業に求める具体的な対策を盛り込んだ指針を11月20日、了承、公表しました。
指針は、2019年5月に成立した改正労働施策総合推進法に基づいて企業などの事業主が講ずべきパワハラ防止の具体策等を定めたもので、厚生労働省は意見公募を経て年内に指針の内容を正式決定し、2020年6月の改正法施行までに周知する方針です。
指針のポイントは以下のとおりです。
- パワハラの6つの類型ごとに、パワハラに該当すると考えられる例とともに、パワハラには該当しないと考えられる例が示された
- 企業の責務として、就業規則等においてパワハラを行ってはならない旨とパワハラに対して厳正に対処する旨の方針及びその対処内容の規定をした上で、社内報、社内ホームページ等による情報提供、研修、講習等の実施による周知・啓発、適切な相談体制の整備、迅速かつ適切な事後対応が求められる
- ハラスメント防止対象には、派遣労働者を含むほか、フリーランスやインターンシップ、就職活動中の学生、取引先等の社外の人に対する言動、顧客などからの迷惑行為についても取り組むことが望ましいとされた
- 相談者・行為者のプライバシーを保護し、相談等をしたことによる解雇その他の不利益な取扱いの禁止が盛り込まれた
これらの防止措置は、パワハラだけでなくセクハラ、マタハラなど「ハラスメント全般」に対して同様に改正されると示されている部分が含まれており、その点でも注意が必要です。
なお、改正法の施行により、違反した企業については厚労省による指導や勧告、企業名の公表が行われることになります。
今後、必要とされる企業の対応
2020年6月の改正法施行に向けて、各企業では就業規則や社内報、社内ホームページ等の記載が改正法に沿っているかの確認と改正を行うとともに、全従業員に対する周知・啓発のための研修、講習、適切な相談体制の整備などの実施が必要となってきます。
また、今回の指針では、パワハラに該当する、該当しないと考えられる例がそれぞれ示されたことが大きなポイントになっています。
しかし、これらはあくまでも例(限定列挙ではない)であり、個別の事案がパワハラかどうかを判断するにあたっては、相談窓口の担当者等は、様々な要素を総合的に考慮し、丁寧に事実確認を行うとともに、広く相談に対応することとされています。
職場のハラスメント事案を取り扱う相談窓口の担当者等に対しても、ハラスメントの正しい知識はもとより、コミュニケーション技法や個人情報保護など多様な教育、研修が必要になってくることでしょう。
当社では、本改正法の施行までその動向をわかりやすくお伝えするとともに、ハラスメント防止のために欠かせない、効果的な教育施策のご紹介をしています。eラーニングや動画コンテンツといった多様な教育手段のご紹介が可能です。
企業・組織におけるハラスメント防止施策についてさらに詳しく知りたい方は、当社が制作した資料「社内の『ハラスメント防止施策』を成功させるためのポイント集」(こちらからダウンロードできます)も合わせてご参照ください。
ハラスメント防止施策の「全体像」や、現状把握のヒント、従業員教育をする際の各種手段のご紹介など、施策成功のポイントをわかりやすくまとめております。ぜひご活用ください。
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