実施対象:全役職員 約3,000名
コンテンツ:コンプライアンス教育施策のためのオリジナルコンテンツ

インタビュー

コンプライアンス部 担当課長 田口 淳子様

毎週配信にこだわるコンプライアンス教育

■田口 様
当社では、2019年度より『週刊4527(よこづな)』 というコンプライアンス教育施策を継続していて、この施策の企画や制作、運用についてEP社に協力をお願いしています。

『週刊4527』は、5分以内で完了できるクイズ形式のレッスンを、毎週火曜日に全役職員に配信する仕組みの教育施策です。『週刊4527』以前は、5分ほどのミニドラマ形式のコンプライアンス教材を毎週配信していたのですが、コンプライアンスに対して興味関心の高い層と低い層で閲覧状況が二極化してしまうという課題がありました。一方で、毎週決まった曜日に隙間時間で終わるようなコンテンツを配信するマイクロラーニング的な手法は、コンプライアンス教育として効果があるという実感があったので、頻度はそのままに、内容や運用面の全面刷新というかたちで、EP社に企画段階から入っていただきました。

2020年度で運用2年目となりますが、受講者からは

  • 多忙な中でも受講できるちょうどよい長さでした。
  • 午後の業務開始前の気持ちを切り替えるものとして活用しています。
  • 毎回配信されることで、コンプライアンスが身近に感じ、意識に入ったような気がします。
  • 始まった当初は「意味があるのだろうか、忙しい社員の負担を増やす必要があるのだろうか」と思っていました。しかし、受講していくうちに、自分の知らないことや、曖昧だった事があると気づきました。今は有意義な取り組みだと思っています。

といった前向きな反応をいただいていて、コンプライアンス推進のための有効な施策になってきているという手ごたえを感じています。2020年上半期の受講完了率は、97.2%でした。

▲『週刊4527』レッスンの一覧画面(一部)。コンプライアンスに関連するさまざまなテーマを展開しています。

EP社と組むことで、配信の負荷を軽減する

■田口 様
『週刊4527』の企画時に、一番に浮かんだのが新たなコンセプトでどのように良いコンテンツを作っていけばよいのだろう……、という心配でした。

『週刊4527』は、1レッスンの内容を短くすることで受講者の負荷を意図して減らしているので、コンテンツを「軽くする」ことが重要です。一方で、自分たちでコンテンツを作ると「細かく正しくキッチリ」作りたくなり、どうしても重くなりがちです。EP社に制作面でも入ってもらうことで、こうした心配を解消することができました。EP社は、伝えたいことはしっかりと伝えるという視点で私たちのニーズを的確にとらえたうえで、eラーニングとしてコンテンツを端的な形に収めてくれます。読み手側の視点に立ったコンテンツ制作のサポートをしていただけるので、とても心強く、頼りにしています。

運用面でも、約3,000人いる受講者に毎週の定期配信を社内で実施しようと思うと、配信時の作業負荷の問題などが出てきます。外部システム(※)を利用しているからこそ、この頻度でこの人数にレッスンを届けられています。

※『週刊4527』は弊社のLMS『GRONIA』を利用して配信・受講をいただいています。(編集者注)

他部署も巻き込み、教育の幅を広げていく

■田口 様
実は、週刊4527の「4527(よこづな)」は、大鵬にとって意味のある語呂合わせで、イントラネットにも4527という名前が付いています。今回、この取り組みを週刊4527と名付けたのには、コンプライアンス教育だけでなく、様々な場面で活用できるマイクロラーニングプラットフォームに育ってくれたらよいな……、という思いがありました。

当社内では『週刊4527』のほかにも、各種研修などの施策を行っていますが、従来の年数回のeラーニングだと盛り込まなければいけない情報量が多かったり、伝えるべき内容が法律などで決まっていたりするので、新たに「ちょっとした内容」を盛り込むことが難しい場合が多いのです。
一方『週刊4527』は、誰でもわかる、読みたくなるようなフランクな表現を意識して作っています。「高校生でも分かるように」が作成時の合い言葉です。だからこそ、コンプライアンスをはじめとした会社の大切なテーマについて基本を届ける、という役割を担うツールになり得ると感じています。

このように身近な情報発信がしやすい『週刊4527』だからこそ展開しやすいコンテンツもあります。たとえば、年度初めに企業理念についての理解を深めるレッスンを展開しました。コンプライアンスにおけるトップメッセージの重要さ(tone at the top)はしばしば言われることですが、どうしてもフォーマルになりがちです。『週刊4527』ではカジュアルに、社長との対談形式で企業理念に込められた想いを4回にわたって配信しました。このように柔らかくコンパクトに連続して届けることができるのが、このスタイルの魅力のひとつです。

人事や知財などの他部署の方も『週刊4527』の受講者のため、「週刊4527にコンテンツを載せませんか?」と話をすると前向きに相談に乗ってくださるようになりました。コンプライアンス以外の内容も受講者からの評判が良く、『週刊4527』での教育が社内に根付いてきている証かな、と感じています。

コンプライアンス教育は「繰り返し」と「継続」が重要

■田口 様
当社は人の命に深くかかわる事業を展開している、「生命関連企業」です。だからこそ、法令順守を含むコンプライアンスの徹底は欠かせません。

では、どうすればコンプライアンスを社内に浸透させ、徹底できるのか。地道な取り組みではありますが、コンプライアンス教育を「繰り返し・継続的に」行うことが非常に重要だと考えています。毎週のレッスンを毎年実施すれば当然ながら同じ内容やメッセージも出てきますが、繰り返し伝えるからこそ伝わる、というのがコンプライアンス施策なのではないでしょうか。

そしてもうひとつ重要なのが、毎週展開するからこそ、受講者の方が受け取りやすいかたちで届ける、という点です。1レッスンの短さや、やさしくフランクな内容での展開は、「受け取りやすさ」を意識した結果です。

『週刊4527』をこれまで継続してきたことで、『週刊4527』だからこそ届けられるメッセージがあるという手ごたえを感じています。今後もそのメッセージを探しながら、継続的な教育施策として実施をしていきたいと考えています。