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人事・研修関連の担当者必見 2025年法改正情報

(1)2025年法改正情報まとめ

2025年注目の法改正

人事・研修関連の担当者の皆さまが特に注目したい2025年に行われる法改正を紹介します。

各法2025年改正部分について【施行日】と「★改正のポイント」をまとめました。

本記事の内容は、都度更新してまいります。
更新情報や関連ニュースをメールでお届けいたしますので、ぜひご購読ください。
(最終更新日:2024年11月22日)

育児・介護休業法の改正

2025年4月1日施行】【2025年10月1日施行

男女とも仕事と育児・介護を両立できるように、育児期の柔軟な働き方を実現するための措置の拡充や、介護離職防止のための雇用環境整備、両立支援制度等の個別周知・意向確認の義務化などが段階的に施行されます。

民間企業等に対して、従業員がフルタイムでも働きながら育児・介護がしやすいように社内制度や職場環境を整え、対象者には個別に意向を確認したうえで必要な支援や配慮をし、実施結果としての育児休業の取得状況等を公表することが求められます。

法の求める「柔軟な働き方」を既存の業務に組み込むには、育児・介護に携わる対象者だけでなく、受け入れる他の従業員への影響も考えなければなりません。自社の状況に合わせて、どのような施策を採るべきか早めに検討をはじめましょう。

2025年4月1日施行子の看護休暇、育児期の残業免除の対象範囲が拡大されます。また、育児休業取得状況の公表義務の適用企業が拡大されます。

★改正のポイント

子の看護休暇が子の看護等休暇に改められ、対象範囲が拡大されます。(義務)

  • 対象となる子の範囲が、小学校3年生修了までに拡大されます。
  • 取得事由が、①病気・怪我、②予防接種・健康診断に加え、③感染症に伴う学級閉鎖等、④入園(入学)式、卒園式の4つに拡大されます。
  • 労使協定による継続雇用期間6か月未満の労働者の除外規定が廃止され、取得対象となります。

所定外労働の制限(残業免除)の対象範囲が拡大されます。(義務)

  • 小学校就学前の子を養育する労働者まで請求可能となり、残業免除の対象範囲が拡大となります。

男性労働者の育児休業取得状況の公表義務の適用企業が拡大されます。(義務)

  • 従業員1000人を超える企業に加え、新たに従業員300人超1000人以下の企業にも公表が義務付けられ、対象が拡大となります。

公表内容は、男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」です。

短時間勤務制度の代替措置のひとつに、テレワークが追加されます。

  • 3歳未満の子を養育する労働者に対する短時間勤務制度の代替措置として、①育児休業に関する制度に準ずる措置、②始業時刻の変更等に加え、③テレワークが追加になります。
  • ただし、代替措置の利用は、短時間勤務制度自体が困難な業務に従事する労働者がいる場合に、労使協定を締結して除外規定を設けることが条件です。

育児のためのテレワーク導入が努力義務となります。

  • 3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるようにすることが、企業の努力義務となります。

2025年10月1日施行育児期の柔軟な働き方を実現するための措置、個別周知・意向確認、及び配慮が義務化されます。

★改正のポイント

介護休暇を取得できる労働者の要件が緩和されます。

  • 労使協定による継続雇用期間6か月未満の労働者の除外規定が廃止され、介護休暇の取得対象となります。

介護離職防止のための雇用環境整備が求められます。(義務)

  • 介護休業や介護両立支援制度等の申し出が円滑に行われるようにするため、介護休業・介護両立支援制度等に関して、下記4つの措置のうちいずれか一つの措置を講じることが義務となります。また、複数の措置を講ずることが望ましいとされています。

①介護休業・介護両立支援制度等の研修の実施
②相談体制の整備(相談窓口の設置)
③自社の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用事例の収集・提供
④自社の労働者へ介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知

介護離職防止のための個別周知・意向確認等の実施が求められます。(義務)

  • 介護に直面したことを申し出た労働者に対して、個別の周知・意向確認が必要です。
  • 介護に直面する前の段階の労働者に対する情報提供を実施しなければなりません。情報提供は、労働者の40歳の誕生日前日の属する年度(1年間)か、40歳の誕生日から1年間のいずれかの期間で実施しなければなりません。
  • どちらのケースも対象者に提供しなければならない情報は下記の3つです。合わせて介護保険制度についても周知が望ましいとされています。

①介護休業・介護両立支援制度等の制度の内容
②介護休業・介護両立支援制度等の申し出先(人事部等)
③介護休業給付金に関すること

介護のためのテレワーク導入が努力義務となります。

  • 要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるようにすることが、企業の努力義務となります。

2025年10月1日施行育児期の柔軟な働き方を実現するための措置、個別周知・意向確認、及び配慮が義務化されます。

★改正のポイント

育児期の柔軟な働き方を実現するための措置が必要になります。(義務)

  • 短時間勤務だけでなく、フルタイムで就業しながら育児ができるよう、柔軟な働き方ができる労働環境、制度の整備を求められます。
  • 企業は、下記の5つの中から2つ以上の措置を選択して、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者が利用できるようにすることが義務となります。

①フレックスタイム制、時差出退勤など、始業時刻等の変更
②月10日以上のテレワーク等
③保育施設の設置・運営、ベビーシッターの手配・費用負担等
④年10日以上の養育両立支援休暇の付与
⑤短時間勤務制度
※②と④は原則として時間単位で取得可とする必要があります。

  • 対象となる労働者は、この中から1つを選択して利用することができます。

柔軟な働き方を実現するための措置の個別周知・意向確認等の実施が求められます。(義務)

  • 3歳未満の子を養育する労働者に対し、下記の3つについて個別に周知し、意向の確認を行わなければなりません。

①企業が選択した2つ以上の対象措置の内容
②対象措置の申し出先(人事部等)
③所定外労働(残業免除)・時間外労働・深夜業の制限に関する制度

  • 個別説明は子の3歳の誕生日の1か月前までの1年の間に行わなければなりません。なお、家庭や仕事の状況が変化することを踏まえて、その後も定期的に面談を行うことが望ましいとされています。

仕事と育児の両立に関して個別に意向を確認しなければなりません。(義務)

  • 労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出たときと、労働者の子の3歳の誕生日の1か月前までの1年間に、子や各家庭の事情に応じた仕事と育児の両立に関する下記の4つについて、労働者へ個別に意向を確認しなければなりません。

①始業および終業の時刻、勤務時間帯
②勤務地、就業の場所
③両立支援制度等の利用期間
④仕事と育児の両立のための就業の条件

個別に確認した労働者の意向に配慮しなければなりません。(義務)

  • 労働者の意向について、自社の状況に応じて、勤務時間帯や勤務地、制度の利用期間、業務量・労働条件の見直し等、配慮することが求められます。
  • 特に、子に障害がある場合やひとり親家庭の場合、短時間勤務制度や子の看護等休暇の利用日数・期間延長などの配慮が望ましいとされています。

◆この法律や法律の改正で、確認・検討すべきこと

  • 育児・介護と仕事を両立するための柔軟な働き方を実現するための措置を、自社の状況に応じて選択し、速やかに実施できるよう準備することが必要です。
  • 就業規則等の社内規程類の見直し、改訂が必要になります。就業規則を変更した場合は、労働者に変更の内容を周知することも必要です。
  • 育児関連では「子の3歳の誕生日の1か月前までの1年間」、介護関連では「40歳の誕生日前後の1年間」という期間限定で、個別対応が義務化されることに注意が必要です。面談(オンライン可)や書面交付のほか、FAXと電子メール等も可能とされています(育児関連の個別対応は希望がある場合のみFAXと電子メール等の利用が可)。
  • 育児・介護に関連した柔軟な働き方に関する相談窓口の設置など、社内での相談体制の整備、強化も必要になります。
  • 育児休業取得状況等の把握、分析、行動計画の策定や変更、公表準備なども必要です。自社の公式ホームページ等のほか、厚生労働省が運営している「両立支援のひろば」で公表することが推奨されています。
  • 2025年時点でテレワークの導入は努力義務レベルですが、いずれ義務化されることも視野にテレワークの環境整備を行うことも検討しましょう。
  • 改正法では選択肢のひとつとなっている保育施設の設置・運営、ベビーシッターの利用手配や費用負担など、柔軟な働き方を支援する企業独自の施策も検討してみましょう。

参照:育児・介護休業法改正ポイントのご案内

障害者雇用促進法関連の法令の改正

2025年4月1日除外率が引き下げられます。

障害に関係なく、希望や能力に応じて誰もが職業を通じた社会参加のできる「共生社会」を目指すための障害者雇用促進法関連の法令は、定期的に改正が行われています。

2025年時点で民間企業における障害者の法定雇用率は2.5%ですが、2026年7月に2.7%に引き上げられる予定です。雇用率の段階的な引上げと並行して、機械的に一律の雇用率を適用することに馴染まない特定の業種について、障害者の雇用義務を軽減する特例措置として設定されている除外率が、2025年4月1日から引き下げられます(障害者雇用促進法施行規則の改正)。

★改正のポイント

除外率が、除外率設定業種ごとにそれぞれ10ポイント引き下げられます。

  • 現在除外率が10%以下の業種は除外率制度の対象外となります。

◆この法律や法律の改正で、確認・検討すべきこと

  • 除外率は業種ごとに異なります。自社に該当する除外率を確認しましょう。

除外率の一覧はこちら→障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について

  • 除外率の引き下げは、2010年以来15年ぶりです。場合よっては、新たに障害者を雇用することが必要になります。障害者の雇用に向けて改めて法律や制度の内容を確認しておきましょう。

参考: 障害者雇用のご案内

高年齢者雇用安定法 経過措置期間の終了

2025年4月1日】「65歳までの雇用確保」が義務になります。

高年齢者雇用安定法により、定年を65歳未満に定めている事業主は、雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するための措置を講じなければなりません。

「65歳までの雇用確保」というのは、65歳までの定年延長が義務化されるということではなく、65歳までの従業員のうち希望者全員が継続して働ける措置を講じる必要があるということです。

例えば、60歳定年制のままで、雇用延長・再雇用制度などの継続雇用制度を導入することもできます。ただし、希望者全員が利用可能な制度でなければなりません。

★改正のポイント

  • 労使協定により継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた事業主に対する経過措置は、2025年3月31日をもって終了します。
  • 2025年4月1日以降は、下記の3つのうち、いずれかの高年齢者雇用確保措置を実施しなければなりません。

①定年制の廃止
②65歳までの定年の引上げ
③希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入

◆この法律や法律の改正で、確認・検討すべきこと

  • 現在経過措置の適用を受けている事業主は、定年制の見直しが必要です。定年制を変更・廃止したり、継続雇用制度を導入する場合、就業規則や職能・職務権限などの規程類の見直し、改定が必要になります。
  • 高年齢者の継続雇用にあたり、人事的な処遇内容、賃金や勤務地、勤務形態、勤務時間帯などの再検討が必要になります。高年齢者の社内での役割・職能について、改めて検討しておきましょう。

参照: 高年齢者雇用確保措置経過措置期間の終了

東京都カスタマー・ハラスメント防止条例 新設

2025年4月1日東京都が制定した「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行されます。

この条例は、いわゆるカスハラの防止に関する基本理念を定め、東京都、顧客等、就業者(従業員)及び事業者の責務を明らかにし、カスハラの防止に関する施策の基本的な事項を定めたものです。

カスハラ防止の啓発に重点を置いた条例であり、条例自体には罰則は定められていませんが、場合によっては、カスハラ行為は傷害罪、強要罪、名誉棄損罪などの犯罪に該当する可能性があり、刑法等に基づき処罰されるものと考えられています。

あくまでも東京都の条例ですが、北海道、福岡県、三重県など他の多くの道府県、市町村でも類似の条例制定や対策の検討が行われています。先行する東京都の動向を注視しておいた方がよいでしょう。

★改正のポイント

カスハラ防止における事業者の責務が明確に定義され、対応を求められています。

  • 主体的かつ積極的にカスハラの防止に努めなければならないとされています。
  • カスハラを受けた従業員の安全を確保し、カスハラを行った顧客等に中止を申し入れるなどの適切な対応を行うことが求められています。
  • 従業員がカスハラを行わないようにするための対応も求められています。

◆この法律や法律の改正で、確認・検討すべきこと

  • 東京都内の事業者はこの条例の指針に基づき、必要な体制の整備、従業員への配慮、カスハラ防止の手引きその他の対策を検討、実施するよう努めなければなりません。

参考:東京都TOKYOはたらくネット

(2)2025年イベントカレンダー

2024年の実績をベースに、2025年に開催が予想される人事・研修担当者が注目したいイベントをまとめました。

※今回掲載したものであっても2025年は実施されない場合もありますので、詳細は定期的に所管となる官公庁サイトの「年間行事予定」で確認してください。(掲出するリンクは2024年の実施記事です)

2月

3月

4月

5月

6月

7月

9月

10月

11月

12月

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本記事の内容は、都度更新してまいります。
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