「舌打ち」「鼻で笑う」が約8割で最多。組織の生産性を下げるハラスメントの芽『インシビリティ』に関する、ビジネスパーソン約9,000人調査の結果を公開
当社の提供するeラーニング教材「【標準レッスン】ハラスメント防止研修2025」で実施したアンケートについて、最終集計・分析を実施しました。
1.集計結果―インシビリティだと思う言動ランキングー
Q.ハラスメントとはいえないものの、ビジネスシーンにおいてイラっとさせられる(相手をイラっとさせる)言動を「インシビリティな言動」といいます。
以下の言動で、あなたが「インシビリティな言動」だと感じるものをすべて選んでください。(複数回答可)
※出典:選択肢はハラスメント研究の第一人者である(株)クオレ・シー・キューブ社作成の資料より引用しています
<選択肢>
- 言い分を聞かない
- 相手にほとんど関心を示さない
- 職場にふさわしくない言葉(あだ名)で相手を呼ぶ
- 無視したり、仕事仲間から外したりする
- 会議に遅れたり中座したりして、その理由も言わない
- 相手が望まないプライベートな話題につきあわせる
- 話をするとき相手を見ない
- 相手に何かしてもらっても、感謝しない
- 舌打ちや鼻で笑うなど、見下した態度をとる
- 話を途中で遮る
- 不必要に人を待たせる
- 相手の判断を信用しない
- その他(具体的に御記入ください)
- このなかにインシビリティな言動と感じるものはない
≪集計結果≫
株式会社エデュテイメントプラネット提供の「【標準レッスン】ハラスメント防止研修2025」アンケート回答を集計 N=9,034 2025年1月~11月の間に実施した研修から、有効回答のみを集計
集計の結果、最も多い順から1位「舌打ち・鼻で笑うなどの人を見下した態度」、2位「無視や仲間外れ」、3位「言い分を聞かない」となり、いずれも70~80%前後と高い回答率となりました。
【転載・引用について】
本調査結果は、下記の通り出典を明記いただくことがご自由に転載・引用いただくことが可能です。
出典:株式会社エデュテイメントプラネット「職場のインシビリティに関する調査結果」( https://all-e-support.jp/news/sr_incivility/ )
2.クラスター分析によるグルーピング
回答結果をもとに、クラスター分析※を用いて選択肢のグルーピングを行いました。
※クラスター分析=似た傾向がある選択肢同士をグループにまとめる手法。例:選択肢AとBを同時に選ぶ人が多い場合、AとBは同じグループになる可能性が高い
その結果、大きく4グループに分類できました(グループ名は弊社にて考案)。
≪グルーピング結果≫
アンケートの集計で高スコアだった言動(「見下した態度」「無視や仲間外れ」「言い分を聞かない」)は、同じ「【1】相手を軽んじる・攻撃的な行為群」にグルーピングされました。すなわち、同時に選択した人が多かったと考えられます。総じて「“悪いこと”、”相手を傷つけること“と認識しながらも、行われることがある言動」「繁忙期や余裕がないときに、気が緩んでやってしまいかねない言動」と考えられます。
その場の雰囲気や忙しさの度合いなどで偶発的に行われてしまう可能性もありますが、積み重なると相手の不快感を高め、場合によっては組織全体の雰囲気や業務効率にもマイナスの影響が及びかねません。ハラスメント研修などの知識浸透のほか、従業員へのヒアリングや業務分担・人員配置の見直しなど、組織的な対策が必要と思われる行為です。
また、「【2】相手への無関心を示す行為群」「【3】時間や規律にルーズな行為群」「【4】 相手との距離感が欠如した行為群」にグルーピングされた行為については、いずれも「行為をする人の日常習慣や価値観の相違によって起こる言動」が多いと考えられます。本人に相手を不快にさせる意図がなかったとしても、半数程度の方が「インシビリティな言動」と感じています。対策としては、各社員に対して、マナーや規律の遵守を促していくことが考えられます。
3.過去のハラスメント体験との関係性(クロス集計結果)
1.過去にハラスメントと思われる行為を受けた経験
過去にハラスメントにあたると思われる行為を受けたことが「ある」人は10.4%、「ない」人は69.9%でした。
2.過去にハラスメントを受けた経験と「インシビリティだと思う言動」の関係性
過去にハラスメントにあたると思われる行為を受けた経験が「ある」人と「ない」人で、「インシビリティだと思う言動」の答え方に差分があるかどうかを検証しました。
その結果、先ほどの集計で上位であり、かつクラスター分析でも同じ「【1】相手を軽んじる・攻撃的な行為群」にグルーピングされた「見下した態度」「無視や仲間外れ」については、過去のハラスメント体験別でほとんど差分が見られないことがわかりました。すなわち、過去の経験や個人の価値観・考え方に関係なく、多くの人に「相手を不快にさせるインシビリティな言動」と受け止められていることがわかります。
4.自由記述より
「インシビリティだと思う言動」にて「その他」と回答した人の自由記述には、以下のような傾向が見られました。いわゆる「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」をはじめとしてさまざまな記述が見られ、無意識に行っていた行為が、組織の生産性に影響を及ぼす可能性も示唆されます。
【マナーの欠如、礼儀を欠いた態度】
- 挨拶をしても返してもらえない
- お願いや依頼をするときに返答がない
- 相手によって態度を変える(雇用形態・性別・学歴など)
【度を越えた注意・指摘(人格否定など)】
- 人格を否定する指摘・フィードバックをする
- 大勢の前で注意や原因究明をする
【業務に必要な情報を共有しない】
- 業務指示の背景や目的が示されず、丸投げをされる
- 社内予定表を共有しない
- 社内チャットで意図的にメンションを外す
【受容性・責任感の欠如】
- ミスについて謝罪をしない・言い訳をする
- 仕事をしない理由を並べ、自己主張ばかりをする
【価値観の押し付け】
- 相手の提案に対して否定から入る
- 「自分の若い頃はもっと頑張っていた・できた」が口癖
【態度や感情のムラ】
- 気分で対応が変わる
- 溜め息が多い
- 感情的な返答や、不機嫌な態度
【音や会話による集中力の阻害】
- TPOをわきまえず大声でしゃべり続ける
- 器物を雑に扱い、大きな音を出して周囲の集中力を阻害する
【業務や時間の使い方に対する意識の低さ】
- 必要以上に何度も同じ話を聞かされる
- 業務とは関係のない話を長々とする
【悪口や陰口、嫌みや余計なひとこと】
- その場にいない人の陰口をいう
- うわさ話を広める
- 「起こっているわけではない」と前置きをしながら怒鳴る(怒りをぶつける)
【その他 公の場では不適切と思われるコミュニケーション】
- 社内の女性を“ちゃん”付けで呼ぶ
- 人の性質や特性に必要以上に言及する(例:MBTIなどの性格診断にならって、「あなたは内向的だから~」等)
(※)弊社にて表現の改変あり
5.最後にー集計結果を踏まえた考察-
本結果は、弊社のeラーニングを受講いただいた複数企業様の結果を横断的に集計していますが、どの企業様でも、おおむね同じような項目が上位に来る結果となっています。
また、最も回答数の少ない選択肢(話をするとき相手を見ない)でも、回答率が40%を超えていることから、複数の選択肢を選んだ人が多いことがわかります。
「人を見下した態度」「無視や仲間外れ」などの、上位かつ個人差に関係なく「インシビリティ」と認識されている言動、攻撃性のある言動についても、どの組織でも発生しかねないものと考えられます。これらが自社組織で行われていないかを確認することは、ハラスメント防止に向けた有効な一手となりそうです。
また、相手をおとしめる意図なく無意識に行っていた言動についても、周囲に不快感を与え、場合によっては「ハラスメント」と受け止められたり、組織の生産性に影響したりすることも考えられます。
今回の集計・分析結果について、当社のハラスメント防止教育eラーニング監修を務めるクオレ・シー・キューブ社 ご担当者様からのコメント
今回の調査結果は、規模や職種が異なる企業に働いていてもインシビリティな言動の出現や 内容に大きな差がないことを示している大変興味深い内容です。インシビリティな言動12項 目中8項目は2人に1人は許容範囲内と捉えていることから、それらの言動が恒常的に存在することで、「些細なことだから」「自分さえ我慢すれば」と諦めたり、解決せずに放置していることが示唆されます。
インシビリティな言動の中には、既にパワハラ6類型に記載の「無視・仲間外し」や「個の侵害」の内容も含まれており、頻度や継続期間によってはハラスメントに該当する可能性があります。 また行為が継続することで、人間関係の悪化、ミスや勘違いなどに発展し、ハラスメントの訴えやコンプライアンス違反に繋がることもあります。 お互いを尊重し、大切にするシビリティな言動へ転換させることは、ハラスメントフリーⓇな職場づくりに欠かせないことです。上司部下や同僚同士、取引先など社外の人に対しても、礼節を大切にする関係づくりの取り組みを継続していくことをお勧めいたします。
年度末・年度初めなどの繁忙期や、人事異動など組織人員が大きく入れ替わる時期では、各職場にてインシビリティな言動・行為が増えることも想定されます。
「“ハラスメント”という言葉が一人歩きしているのでは」という風潮もある中、大切なことは「ハラスメントに該当する・しない」でなく、相手や周囲を尊重すること、誰もがハラスメントやインシビリティを「する側・される側」のいずれにもなり得るとの意識であると考えられます。
会社としては、各種ハラスメントの防止を促すための継続的な研修の実施や、アンケートなどを通じた従業員への定期的なヒアリングなど、組織ぐるみで取り組んでいくことが必要と考えられます。
成果の出るハラスメント防止教育を eラーニングで
当社がご提供するGRONIA plusの「ハラスメント防止シリーズ」は、ハラスメント防止のための社内教育に、これ1つで対応できるeラーニングサービスです。専門家の監修による高品質な教材群と受講環境をまとめてご提供しております。
「年1回でよいから、しっかりとした全社員教育を実施したい」「最新の事例や法改正情報をふまえた学習内容で、ハラスメント防止の社内教育をしたい」「自社の相談窓口情報も合わせて周知したい」など、多様な声にお応えすることが可能です。ぜひお気軽にお問合せください。
【転載・引用について】
本調査結果は、下記のとおり出典を明記いただくことでご自由に転載・引用いただくことが可能です。
出典:株式会社エデュテイメントプラネット「職場のインシビリティに関する調査結果」( https://all-e-support.jp/news/sr_incivility/ )


